新古美術 朝比奈

新古美術 朝比奈

Collections作品紹介

※クリックで拡大画像がご覧いただけます。
※Click for larger image(↓)

Letter to Yajiro Shinagawa
品川弥次郎宛朱書き断簡

Artist
作家名
Yoshida Shoin
吉田松陰
Material
手法
Ink on Paper
紙本・墨
Dimensions
寸法
本紙 19.3×12.6、19.6×13.0㎝(Image)
総丈164.5×23.2㎝(Mount)
Caption
備考
【上部:松陰】
〔原文〕
二書ハ小田村先生①へ頼ミ吾が
先日出置く與高杉②書中ニ
符し江戸へ可送也
御頼ミ申也
念入
松陰
思父足下③

〔現代語訳〕
二つの書は小田村先生へ頼み、私が先日出した高杉への書に添え、江戸に送るように。 念を入れて頼みます。
松陰
品川思父へ

① 小田村先生:小田村伊之助(楫取素彦)のこと。吉田松陰の妹と結婚し、松陰の再入獄後は後継者として、松下村塾でも指導にあたった。
② 高杉:高杉晋作のこと。久坂玄瑞とともに「松下村塾の双璧」と呼ばれる松陰の愛弟子。攘夷運動に身を投じ、武士だけの軍隊のもろさを知り、階級や身分を超えた町人や農民からも兵隊を集めた「奇兵隊」を作る。
③ 思父:品川弥次郎の字。「足下」は貴殿という意味。

【下部:品川弥次郎添書き】
〔原文〕
明治二十一年八月殉難士
遺墨展覧会を開
真歳之ヵ
やじ
筆の跡みりや涙が先きにたつや身にしむ秋の風④

〔現代語訳〕
明治二十一年八月殉難士の遺墨展覧会を開く 真□(歳ヵ)□やじ(品川弥二郎) 筆路を見るか、もしくは涙が先にでるか、秋の風が身に染みる

④ 明治21年(1888年)の遺墨展覧会開催時に品川が作ったもののひとつ。
【裏面貼り付け外題】
明治二十一年八月やじ題
松陰先生萩野山獄中ヨリ断簡
Period
製作年

Condition
状態
There is a stain.
シミが御座います。
Accessory
付属品
Box included
箱付
Biography
略歴
【吉田松陰(1830~1859)】
幕末の勤王家・思想家・尊王論者・教育者。
長州藩士。名は矩方(のりかた)。通称、寅次郎。別号に二十一回猛士。
江戸に出て、安積艮斎、山鹿素水、佐久間象山らに学ぶ。 欧米遊学を志し、安政元年下田のペリーの米艦に搭乗を計り密航を企てたが失敗、投獄ののち生家に幽閉。
出獄後、萩に松下村塾を開き、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋らの多くの維新功績者を育成。
討幕論を唱え、老中間部詮勝暗殺を画策して投獄され、安政の大獄により獄中で刑死した。

<< 前のページに戻る