新古美術 朝比奈

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Collections作品紹介

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Calligraphy“Zen word”
庭前柏樹子

Artist
作家名
Seigan So-i
清巌宗渭
Material
手法
Ink on Paper
紙本・墨
Dimensions
寸法
本紙 131.4×25.6㎝(Image)
総丈200.0×28.6㎝(Mount)
Caption
備考
・サイン「清巌宗渭書」、印「清巌」「宗渭」
≪読み≫
庭前柏樹子(ていぜんのはくじゅし)
(『趙州録』、『無門関』第三十七則)

【禅問答】
とある修行僧が趙州和尚※①に問いました。
「如何なるか是れ祖師西来意」 (=達磨大師が禅を伝えるため、インドからはるばる中国へ来られた意味とは何か)」
この問いは「禅」とは何か、「仏」とは、「悟り」とは何かという事を意味していました。
これに対し趙州和尚は「庭前柏樹子※②」と答えます。 (庭の、このビャクシンの樹だよ、と。)
修行僧は「和尚、境(きょう)を将(もっ)て人に示すこと莫(な)かれ」 (=私は禅とは何か、仏法とは何かと聞いているのです。境、即ち心の外の物で答えないで下さい。)
趙州和尚は「我れ境を将(もっ)て人に示さず」と答えます。 (=私は決して心の外の物で答えてはいないよ。)
そこで再度、修行僧が「如何なるか是れ祖師西来意」と問うと 趙州和尚はまた「庭前柏樹子」と答えるのです。
【解説】
恐らくこの修行僧は、師から壮大な答えが返ってくる事を期待していたのでしょう。
しかしただ「庭の木」だと言われ拍子抜け。
趙州和尚は、心と境と一体一枚、心には境など存在しない。理屈は捨ておいて見たままの情景を指し「ありのままだ」と伝えたかったのでしょう。
※①趙州(じょうしゅう)和尚・・・中国の唐代の禅僧
※②柏樹子・・・和名をイブキといい庭園や寺院に植えられることの多い常緑樹のこと。
柏樹子の「子」は助字で特に意味はない。
Period
製作年
江戸初期
Condition
状態
There are folds, insect bites, and rubbing on the front cover.
折れ、虫食い、表具擦れが御座います。
Accessory
付属品
時代箱
Biography
略歴
【清巌宗渭(1588~1662)】
近江(滋賀県)の人。臨済宗大徳寺派の僧。自笑子・孤陋子と号す。 9歳で玉甫紹琮について得度し、玉甫の寂後、兄弟子の賢谷宗良に参じてその法を嗣ぐ。
後水尾天皇の勅命により大徳寺第170世住持となり、多くの塔頭や各地の寺に住した。
千宗旦参禅の師で、細川三斎(忠興)とも親しく、茶湯と関係深い。
書画に優れること名高く、南宋の張即之や虚堂智愚の書風を学んだといわれる。
『清巌禅師茶事十八ケ条』なども残している。書も善くし、その墨跡は茶掛として珍重される。

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