新古美術 朝比奈

新古美術 朝比奈

Collections作品紹介

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Japanese poem paper with autumn grasses in the underpainting.
秋草下絵続古今集和歌

Artist
作家名
Asukai Masatsune
飛鳥井雅庸
Material
手法
Ink on paper
紙本・墨・金泥
Dimensions
寸法
本紙 33.6×43.6㎝(Image)
総丈 121.0×54.6㎝(Mount)
Caption
備考

「秋来てはかくこそありけれ吹く風の音さへつらき庭の荻原」
今上御歌(=亀山天皇)『続古今和歌集巻第四 秋歌上』
意味:秋が来るとまさにこのようであった。吹く風の音までもつらく聞こえる庭の荻原
本歌:世の中はかくことありけれ吹く風の目に見ぬ人も恋しかりけり(古今、恋一、紀貫之)



「なにごとを忍ぶの岡の女郎花(おみなえし)思ひし惚れて露けかるらむ」
俊恵法師『続古今和歌集巻第四 秋歌上』
意味:どうゆうことを忍ぶ。忍ぶの岡の女郎花なので、思いの涙に濡れて湿っているのだろうか。



「寝られずや妻を恋ふらむ標野ゆき紫野ゆき鹿ぞ鳴くなる」
太上天皇(=後嵯峨院)『続古今和歌集巻第五 秋歌下』
意味:寝られずに妻を恋しく思っているのだろうか。標野を行き、その紫野を行き鹿が鳴いているようだ。
本歌:あかねさす紫野行き標野行き野寺に負けずや君が袖振る(万葉集、巻一、額田王)
妻恋ふる鹿ぞ鳴くなる女郎花おのがすむ野の花と知らずや(古今和歌集、秋上、凡河内躬恒)
※標野・・しめを張り、出入りを禁じた野
※紫野・・染料となる草のムラサキの生えている野(ここでは標野のこと)
◎参考文献
藤川功和 他『和歌文学大系38続古今和歌集』明治書院/令和元年
Period
製作年
Azuchi-Momoyama period
安土桃山時代・16~17世紀
Condition
状態
Degree of age-related wear and tear.
経年の擦れ程度
Accessory
付属品
田中塊堂極箱
【田中塊堂(1896~1976)】
漢字を川谷尚亭に学び、かなは独学で古筆を習得した。 千草会を主宰し、相沢春洋、田中親美とともに古筆の研究にも力を注ぎ『かな研究』を発行。古写経の調査・研究にあたり,体系的な調査研究の草分けとしても評価が高い。
Biography
略歴
【飛鳥井雅庸(1569~1616)】
安土桃山時代から江戸時代初期にかけての公卿・歌人・蹴鞠家。飛鳥井家13代当主。
飛鳥井雅敦の子。官位は従二位・権大納言。
家職の和歌・蹴鞠に優れ、道澄(聖護院,照高院)より古今伝授を受け、のちに後水尾天皇に蹴鞠を指南した。
文禄3(1594)年豊臣秀吉の吉野花見に同行し、さらに高野山参詣にも従った。
また、駿府において徳川家康に『源氏物語』の奥義を伝授するほか細川忠興、島津家久らへ蹴鞠を指南した。

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