Collections作品紹介
作家名 | 酒井抱一 Sakai Houitsu |
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手法 | 紙本・墨・彩色 |
寸法 | 本紙79.2×28.0㎝ 総丈146.5×31.5㎝ |
備考 |
(賛)名月や硯の海も外ならず ・サイン「抱一畫題」、朱文鳥印「鶯邨畫所」 ・『酒井抱一と江戸琳派の全貌』展図録№98‐17「柳花帖‐紫式部」(姫路市立美術館蔵)と類似作品。 【作品について】 何か思い付いたのでしょうか、ほほ笑みを浮かべ、楽しそうな執筆姿の紫式部が描かれています。 画に添えられた俳句は、墨だまりに映り込む美しい月の様をよんだもの。 紫式部と月といえば、近江八景の一つ、石山寺が思い浮かびます。 ここは、月の名所として知られ、平安時代、紫式部も月を愛でながら源氏物語の構想を練ったそうです。式部は名月を硯に溜まる墨の中にも見たのでしょう。 若くから俳諧を嗜んでいた抱一らしい粋な作品です。 ※書の世界では、硯の先の墨だまりを「海」と呼ぶのだそう。 |
製作年 | 江戸後期 |
状態 | 綺麗な状態です。 |
付属品 | 箱付 |
略歴 |
【酒井抱一(1761~1828)】 江戸後期琳派の絵師、俳人。 姫路城主・酒井中以の弟として江戸に生まれる。 絵ははじめ狩野派につき、浮世絵、長崎派など諸派の画風を広く学ぶ。 寛政年間の半ば頃から尾形光琳に私淑し、1815年には光琳百年忌を営み、遺墨展を開催。 「光琳百図」「尾形流略印譜」を刊行、また1823年には「乾山遺墨」を編むなど、 光琳、乾山の顕彰に尽力した。 その後、琳派の装飾的な画風を受け継ぎつつも、円山四条派、土佐派、南蘋派、伊藤若冲などの技法も積極的に取り入れた。 独自の洒脱で叙情的な作風を確立し、江戸琳派の祖となった。 門人に鈴木其一、池田孤邨、酒井鶯蒲、田中抱二、山本素堂、野崎抱真らがいる。 |