新古美術 朝比奈

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Collections作品紹介

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紙雛図
Hina Doll

作家名 酒井抱一
Sakai Houitsu
手法 絹本・彩色・金泥
寸法 本紙85.0×31.4㎝
総丈170.0×43.4㎝
備考 サイン「抱一」、印「文詮」
【お作品について】
たっぷりと花をつけ、画面を華やかに彩る枝垂桜。おひな様の衣装に描かれた亀甲文は、金泥を厚くのせ、本物の生地のような立体感を感じます。
酒井抱一を祖とする江戸琳派の作品に於いて、節句にまつわる画題、特に「紙雛」は、非常に愛好され、喜ばれました。 江戸琳派では雛と共に桃ではなく「枝垂桜」をかくのを特徴とし、その構図は師・抱一から其一・孤邨ら弟子へと脈々と受け継がれてきました。
江戸琳派の紙雛図は、上部に抱一の賛が書かれた色紙を配置し、雛を弟子が描く作品がよく見られる中、本作は、全て抱一自身の手によるもの。
軸箱には弟子・池田孤邨の題が認められ、弟子たちが大切に受け継いだ江戸琳派「紙雛図」の原型とも言える作品です。
製作年 江戸後期
状態 折れ、シミ
付属品 池田孤邨 識箱
略歴 【酒井抱一(1761~1828)】
江戸後期琳派の絵師、俳人。
姫路城主・酒井中以の弟として江戸に生まれる。
絵ははじめ狩野派につき、浮世絵、長崎派など諸派の画風を広く学び、 寛政年間の半ば頃から尾形光琳に私淑。1815年には光琳百年忌を営み、遺墨展を開催。
「光琳百図」「尾形流略印譜」を刊行、また1823年には「乾山遺墨」を編むなど、 光琳、乾山の顕彰に尽力した。
その後、琳派の装飾的な画風を受け継ぎつつも、円山四条派、土佐派、南蘋派、伊藤若冲などの技法も積極的に取り入れた。
独自の洒脱で叙情的な作風を確立し、江戸琳派の祖となった。
門人に鈴木其一、池田孤邨、酒井鶯蒲、田中抱二、山本素堂、野崎抱真らがいる。

【池田孤邨(1803~1868)】
江戸時代後期の江戸琳派の絵師。
酒井抱一の弟子で、兄弟子の鈴木其一と並ぶ高弟。

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